東海地震は予知できるか

私は、かねてから「そもそも地震予知なんて原理的にできないのではないか」と疑ってきた。しかしつぎの本を読んで、「ひょっとしたら将来地震予知が可能になるのではないか」と考え直し始めた。
川崎一郎著「スロー地震とは何か-巨大地震予知の可能性を探る-」日本放送出版協会
地殻にたまったエネルギーがひずみとして蓄積され、それが数秒~数分という短時間に一気に解放される現象が地震である。しかし数日~数ヶ月に渡ってひずみが解放されるスロー地震も頻繁に起こっているらしい。(このような地震は用語さえも混乱していてスロースリップ・イベントなどとも呼ばれている)著者は「何回か発生するスロー地震の一部が加速されて大地震となる」という作業仮説を示している。この仮説が正しければ、スロー地震を正確に検知することにより予知が可能になるかもしれない。
 この本は「高校生程度の知識」を前提に書かれているらしいが、説明していることはとても難解で2、3度読み直す覚悟で手に取る必要がある。しかしその価値はある。
 将来の地震予知には希望が感じられるが、現時点では無理だろう。大規模地震特別処置法が前提とするような断定的な地震予知が可能であるとは到底思えない。(注)警戒宣言がだされたのに地震が起きないなんてことはないのだろうか。もし警戒宣言が出されると、生産活動の制約、交通の停止、物流への制約に関し一日あたり1702億円の被害がでるらしい。
(注)事前の予知が可能であるということを前提にした施策には批判が多い。警戒宣言がだされないまま、地震が発生することもあるだろう。たとえばこちらを参照。
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by takaminumablog | 2006-04-22 16:31 | 読書日記(その他の科学) | Comments(0)
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