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蝉の命ははかなくて

先日の些細な私的な出来事について、書き残しておきます。
鶴見川沿いを自転車でゆっくり走っていたところ、犬を連れた若いご婦人に呼び止められた。恐らく20代の東洋系の顔をしたご婦人であった。
「蝉、●われますか?」
外国語なまりで尋ねられた。なまりのせいか、私の耳が悪いせいかわからないけど、●の部分が聞き取れない。「蝉、飼われますか?」というのは変だと思い聞き直すと、「蝉、触れますか?」であった。
「もう飛べないと思うんです」の言葉に促されて道路を見るとアブラゼミがいた。「一週間位しか生きないですからね」と答えた。
その時、われわれが話している横を少年が走ってきた。ご婦人は「アッ!」と叫んだが、少年はきわどいところではあったが、蝉をよけることができた。
少年が走り去ったあと、どうするのかわからないまま私は蝉をつまんで待った。ご婦人の依頼はもう飛べなくなった蝉を道路わきの、踏みつぶされない場所に移動させることであった。
私が遭遇したのはこれですべて。
自転車で立ち去りながら、私はたわいないことを考えた。・・・アジアのかなり広い地域に昆虫食が普及している。蝉も広く食べられている。聞くところによるとナッツのような味がするらしい。動けなくなった蝉を触れない、あのご婦人は一体どこの出身なのだろう。蝉の最期に気を遣うのはどこの宗教観だろう。


by takaminumablog | 2018-08-03 13:39 | 雑感
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