人体部分の商品化

米本昌平2006「バイオポリティクス-人体を管理するとはどういうことか」中央公論社
面白い本を読んだ後は、「こんな風に面白かった」と吹聴したくなるものだが、この本については考え込んでしまって言葉が出ない。
「みんなこの本を読んでください。今日のブログはこれで終わり」というわけにはいかないので、この本の取り扱っているテーマの一つについて少しだけ書くことにする。アメリカの話を引用。
病院で人が亡くなると、NPOのヒト組織バンクのメンバーが遺族の前にあらわれ、「火傷や怪我で苦しんでいる人を助けるため、皮膚や骨の一部をいただけないでしょうか」と申し出ることが多い。どの先進国も慢性的に移植臓器の不足に悩んでいるが、アメリカではその対策として、1998年に臓器摘出促進法を成立させ、人が亡くなると病院は臓器調達事務所(OTO)に通報しなくてはならなくなった。NPOはそこから情報を得、絶妙のタイミングで現れる。良心的な遺族であれば、愛他主義に立って同意することもあり、ヒト組織は無償で提供されることになる。
 問題はこの先である。NPOによっては、皮膚や骨などを遺体から摘出した後、自分たちの組織の運営費をひねり出すために、集めたヒト組織をヒト組織加工会社に転売してしまう。ここからはヒト組織が扱われるモードはがらりと変わり、完全に企業活動の領域となる。

まだ話は続くが気持ちが悪いので、引用は中止。要するにアメリカではヒト組織さえも持ち主が同意すれば市場で商品として取り扱うことができる。一方EUではフランスなどが主導してヒト組織を市場商品にすることを規制しようとしているそうだ。
さて貴方はどちらがよいと思いますか?
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by takaminumablog | 2006-07-24 14:44 | 読書日記(その他の科学) | Comments(0)
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