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原子力発電―1

原子力発電のことが気になりだしたので本を読んだり、ウェブサイトを見たりしだした。そこで感じたことを何回かにわたって書いてみたい。私は専門家ではないし、事前に原発反対でも賛成でもない。本を読んだりするうちに考え方に変化が生じて前と異なる事を言い出すかもしれない。
まず手にしたのはつぎの本。西尾獏2006「新版原発を考える50話」岩波ジュニア新書
著者は反原発新聞の編集者らしいがジュニア新書だったら分かりやすいに違いないと読み始めた。原発の危険性や核燃料リサイクルに関する記述は分かりやすく、感心しながら読み進めた。しかし後半に進むにしたがい非科学的なレトリックが目に付くようになった。42話「おばけにあいあたい」では停電を礼賛する。44話「電気をすてる発電所」では揚水発電所は電気で揚水するから電気を捨てている。けしからんという。(注:揚水発電所とは、水力発電タイプの一つ。発電所の上部と下部にダムを造り、電力需要の少ない深夜に原子力・火力発電所などで起こした電気を利用して下部ダムの水を汲み上げ、昼間など電気消費量の多い時は、上部ダムの水を落として水車をまわし発電する、システム。)47話「水や光や風のエネルギー」には原子力エネルギーがバイオマスで代替できるかのように書かれている。こんなでたらめな記述を読まされたジュニアはかわいそうだ。49話「脱原発vs.原発ルネサンス」でも世界は脱原発に向かっているかのような記述になっているが、本当だろうか。「二酸化炭素排出削減には原子力発電推進もやむをえない」と考える意見が徐々に増加しているのではないか。
by takaminumablog | 2006-05-08 14:37 | 読書日記(環境問題)
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