地球温暖化と黄砂の関係は?

今年も黄砂の季節がやってきた。黄砂が地球温暖化に対してどのような影響を与えているのかはっきり分かっていないらしい。IPCC2001のレポートの中では「ミネラルダスト」と呼ばれているが、その放射強制力は正(プラス、暖める側)なのか負(マイナス、冷やす側)なのかも分からない記述になっている。気象庁の解説記事によると全体としては弱い負の効果があるようだ。(しかし産業革命以降、土地劣化などにより黄砂がどの程度増えたかはわからない)
我々素人は「地球温暖化で大騒ぎしているのだから、さっさと調べたらよいのに!」と思ってしまう。しかしつぎの本を読むと黄砂がなぜ難しいのか良く分かる。
岩坂泰信2006「黄砂―その謎を追う」紀伊国屋書
黄砂は飛んでいる間に酸性雨の原因物質(硫黄酸化物、窒素酸化物)を吸着しているらしい。飛んでいる間に吸着したことを証明するためには、発生地点では無かったことを示さなければならない。黄砂そのものは電子顕微鏡でよく見えるが、吸着した熱に弱い硫黄酸化物や窒素酸化物は電子顕微鏡では見るのは難しい、など苦労話が書いてあって面白い。
話が少しそれるが、地球温暖化に関連して地球における二酸化炭素の循環が話題になっている。その炭素循環にプランクトンが重要な役割を演じている。海中に溶け込んだ二酸化炭素はプランクトンが取り込んでその骨格などをつくる。やがてそのプランクトンが死んだとき遺骨が海底に沈殿する。黄砂は日本上空を越えて大部分は太平洋に落ちる。(グリーンランドまで飛ぶのもあるらしいが)落ちた黄砂はプランクトンの餌になる。黄砂の落下がなければ生存できないような陸から離れたところでもプランクトンが生存できるらしい。 サハラ砂漠の砂塵が貿易風に乗って大西洋に飛来する。砂塵が良く通る海域ではプランクトンの発生が良く見られるそうだ。気象庁の解説記事(前出)によると「プランクトンから発生するDMS(ジメチルサルファイド)は大気中で硫酸エーロゾルとなり、硫酸エーロゾルは海洋上の雲の雲核となる」そうだ。
要するに「黄砂の間接的影響を考え出したらきりがない」「まだ良く分かっていない」ということらしい。
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by takaminumablog | 2006-04-27 11:02 | 読書日記(環境問題) | Comments(0)
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