情報通信に関するわが国の政策はあまりにも無駄が多い。マスメディアには情報通信に関する情報があふれているが、無駄な政策を批判するものはほとんどない。技術的な背景を良く知っている業界人は、自社の製品・サービスの販売につながるときは大声で宣伝するが、無駄な政策に関しては、通常だんまりを決め込んでいる。本来マスメディアが発言しなければならないが、日本では新聞・テレビで系列化しているため、情報通信政策に関しては改革を嫌う抵抗勢力となっている。
総務省が打ち出した2011年にアナログ放送廃止計画は、言い換えれば「2011年既存テレビ粗大ごみ化計画」である。マスメディアにはこんなばかげた計画にさえも批判的な記事は掲載されない。ちなみに既存テレビの数は一億台である。ペットボトルのリサイクル、ウォームビズなど些細なことを言う前に粗大ごみを減らすことを考えるべきだ。
粗大ごみがあふれることを嫌いな方と情報通信政策に興味のある方は次の本を読んでほしい。
池田信夫2006「電波利権」新潮新書