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神社の狛犬や狐

そろそろ正月が近づいてきたので、気軽に神社に関する話題。神社に行くと狛犬やキツネを見かける。外人(西欧の人)がこれを見ると日本には先進国にもかかわらずシャーマニズムが残っていると思う。以前、私も外人から聞かれたことがあったが、日本人は神も仏も犬も狐も崇めるのだと説明してごまかしたことがあった。(なんという無知!)
しかし、神社の狛犬や狐には深い意味があったことを次の本で知った。
守山守1997「むらの自然をいかす」岩波書店(4-00-006606-4)
長野県の伊那地方にある木嵐稲荷はネズミ除けの稲荷として知られている。この地域では、蚕を飼うときネズミの食害を防ぐため、社から赤い札を買ってきて蚕室の四隅に置き、蚕期が終わったとき倍にして返すというものである。
中略
これらの習慣は同じ起源のもので、稲荷祠の周囲の小石が陶器のキツネや赤い札に変化したものと考えられる。そしてその習慣は単なる迷信ではなく、捕食動物の臭いを利用したネズミの管理技術と考えられる。なぜならキツネのオスは自分のなわばりを示すため、牡犬のように尿で匂い付けをするからである。牡犬は電柱のように目立つものに尿をかける。当然、稲荷祠の周囲の小石にはキツネの尿がかかっていることになる。小石のネズミ除けが最高一年しか効かないといわれている点も、キツネの尿の残効性の期限を表すものと考えられる。
 さらにこの方法が有効なのは、人々が稲荷祠に稲荷寿司をあげ、キツネが人家付近をテリトリーに含めるようにしている点である。その結果キツネの臭いに鈍感なネズミが出たときはすぐにキツネに食べられ、キツネの臭いを恐れるネズミだけが生き残れることになる。

この本によると、山村ではシカ、イノシシ、サルの害に悩まされ、これを避けるオオカミを利用したと推理されるとのこと。狛犬は、オオカミが変化したものだそうだ。なおオオカミには稲荷寿司ではなく塩を与えたそうだ。
お正月に神社に行ったら、狛犬やキツネにもおまいりしましょう。
by takaminumablog | 2005-11-19 13:34 | 読書日記(その他の科学)
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